みなさんは、「カゴ落ち」の１番の理由をご存じですか？
2023年、システムインテグレータが公表した「EC消費者意識調査レポート」（対象はEC利用者800人）によると、ECサイトで商品購入をやめた理由のトップは「送料に不満があった」（約3割）でした。
参照：https://netshop.impress.co.jp/node/11353
送料の表示は購買意欲に影響する
オンラインショッピングにおいて、購入をためらう１番の理由は、ユーザーがお気に入りの商品をショッピングカートに追加した後、チェックアウト時の購入画面で初めて、送料が思った以上に高いことがわかることです。
高額な送料はユーザーの購入意欲を下げ、ユーザーがウェブサイトを離れる原因となります。
実際、ベイマードの調査でも、ユーザーがカゴ落ちした理由のトップは、送料が高かったことが47%を占めました。
参照：https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate
送料は、可能であれば無料にした方が購入につながりやすくなります。
無料にすることが難しい場合には、購入手続きの前に送料がいくらかかるか、ユーザーに明確に知らせましょう。
購入画面になる前に送料がわかっていれば、送料を理由に途中で手続きをやめたり、保留にしたりすることはなくなります。
送料を知らせる際には「〇〇円以上買うと送料無料」というような特典があると、購入額のアップにもつながるはずです。
送料問題を解消する３つの方法
「○○円以上で送料無料」にする
カートに送料無料の通知を表示する効果についてABテストを行った事例をみてみましょう。
オーストラリアのeコマース会社FluidGrowersは、ユーザーが購入画面を離脱しているのは、送料についての説明がわかりにくいことが原因であることに気づきました。
そこで従来のページAと、送料についてわかりやすく表示したBのページでABテストをしました。
Aでは購入画面に送料の詳しい情報は表示されていません。
参照：https://www.abtestcases.com/testcases/adding-free-shipping-information-to-the-cart-page/
それに対して、Bには以下の3つの変更点を設けました。
送料無料（150ドル以上購入の場合）の情報をトップバーに表示し、サイドバーにも同様の送料情報を示しました。
カートの上に「あとXXドルのお買い上げで送料が無料になります」というマイクロコピーを追加しています。
その結果、Bでは、平均注文額は26％増の110ドルから139ドルに、またコンバージョン率は39％増加しました。
ウェブサイトを訪れたユーザーに、送料無料になる条件の通知をわかりやすく表示することで、ユーザーの購買意欲が高まります。
期間限定で送料無料キャンペーンをする
送料無料キャンペーンを実施することで、ユーザーにお得感を提供し、同時に利益率の低下を最小限に抑えることができます。さらに、このキャンペーンを通じて新規ユーザーの獲得を促進するチャンスになるでしょう。
カインズでは、約1か月の期間で、オンラインでの限定商品購入に送料無料キャンペーンをしています。
参照：https://www.cainz.com/c/ccp_soryomuryo/
ただし、頻繁に送料無料キャンペーンを行うことは注意が必要です。
なぜなら、頻繁に実施すると、ユーザーがいつもキャンペーンを待つ状態になり、通常時の売上が減少してしまうからです。
キャンペーンの実施は、適切なタイミングを見極める必要があり、新規ユーザー獲得のための広告施策と結びつけることが有効かもしれません。
送料無料が難しい場合－お届け先入力で送料を明確にする
送料を無料にするのが難しい場合に、参考にしたい例を見てみましょう。
ビックカメラのウェブサイトは、ページトップにお届け先を入れるだけで送料が判明するしくみです。
参照：https://www.biccamera.com/bc/cart/CCtViewCart_001.jsp
面倒な会員登録をしなくても、送料がわかると離脱を防ぐことにつながります。
ユーザーは送料を確認したうえで、安心して購入画面に進むことができますね。
まとめ
カゴ落ちの１番の理由になっている送料についての対策をABテストの事例とともにご紹介しました。
送料無料の条件をわかりやすいマイクロコピーで表示し、送料無料キャンペーンをすることでお得感を出しましょう。
またユーザーが購買意欲を落とさないように、購入画面より前に送料がわかるよう示してみてください。
この情報が少しでもお役に立てれば幸いです。
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