【完全ガイド】カゴ落ちの原因と効果的な対策|ツール活用とマイクロコピーの秘訣

基礎知識

マイクロコピー編集部


マイクロコピー編集部です。売れるための最強の一言である「マイクロコピー」を広めるため、日々マイクロコピーの有用性を発信しています。


ECサイトを運営する企業にとって、”カゴ落ち”は避けられない課題です。

せっかく商品を選んでも、購入手続きを完了せずに離脱してしまうユーザーが多いと、売上機会の損失を招きます。

ECサイト間の競争が激化している中で、カゴ落ち対策は売上アップだけでなく、顧客体験の向上やリピーターの獲得にも繋がる重要な要素です。

本記事では、カゴ落ちの定義からその原因、効果的な対策まで詳しく解説します。

すぐに実践できる、マイクロコピーでカゴ落ちを防ぐ方法も必見です。

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カゴ落ちとは?売上に影響を与えるECサイトの課題

カゴ落ちの定義と現状

カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れた後、購入手続きを完了せずに離脱する現象です。

Baymard Instituteの調査によると、カゴ落ち率は70.19%にものぼるとされています。

つまり、10人中7人以上が商品をカートに入れたものの、購入までには至らないということです。

また、Statistaによると、モバイルでのカゴ落ち率は約85%、デスクトップでは73%というデータがあります。

このことから、特にモバイルユーザー向けの対策が重要であると考えられます。

参考:Baymard Institute / Statista

なぜカゴ落ちは売上に大きな影響を与えるのか

カゴ落ちが増えると、直接的な売上損失だけでなく、広告費の無駄やユーザー体験の低下にも繋がります。

Statistaの調査では、カゴ落ちを10%削減することで、売上を最大36%向上させる可能性があるとされています。

さらに、カゴを放棄した顧客の再購入率は約30%未満にとどまるため、カゴ落ち対策はビジネスの成長に不可欠です。

参考:Statista

カゴ落ちが発生する理由

主な原因一覧

先述したBaymard Instituteの調査(2024年)によると、「カート放棄した理由」上位5つは以下の通りです。

  1. 追加費用が高すぎる(送料、税金、手数料):48%
  2. アカウント登録を要求された:26%
  3. クレジットカード情報登録の際にサイトの安全性を信用できない:25%
  4. 配達が遅すぎる:23%
  5. チェックアウトプロセスが長すぎる/複雑すぎる:22%

引用:Baymard Institute

配送料や手数料が高い

予想外に高い配送料や手数料は、ユーザーが購入を諦める大きな要因です。

配送料を事前に明確に表示し、透明性を確保することが重要だといえます。

アカウント作成が必要

アカウント登録を必須にすると、初回購入者には大きな障壁となります。

ゲスト購入のオプションを提供し、登録が必要な場合でもその利点を明確に伝えることが効果的です。

サイトの安全性を信用できない

サイトのセキュリティに不安を感じたユーザーは、購入を中断することがあります。

信頼性を高めるために、SSL認証の表示やセキュリティバッジを明確に掲示しましょう。

また、個人情報保護ポリシーを簡潔に説明することも重要です。

配達が遅い

配達期間が長すぎると、購入意欲が低下します。

特に即日配送や翌日配送が一般化する中で、配送日数がかかると競争力の低下を招きます。

配送オプションの多様化など、配送に関する体制の構築が求められるでしょう。

購入フローが複雑

複数のステップや不要な情報入力は、ユーザーが手間を感じる原因となります。

簡潔で直感的なフローを設計することが重要です。

ページの読み込み速度が遅い

ページの読み込みが遅いと、ユーザーはフラストレーションを感じやすくなります。

以下、Googleの調査結果でも立証されています。

  • 読み込み時間が1秒から3秒になると、直帰率が 32%増加
  • 読み込み時間が1秒から6秒になると、直帰率が 106%増加
  • 表示に3秒以上かかるモバイルページからは53%のユーザーが離脱

引用:Google

ユーザー心理から見るカゴ落ち

カゴ落ちはシステム上の問題だけでなく、心理的要因も関与します。

「もっと良いオファーがあるかも」という迷いや、「購入に失敗したらどうしよう」という不安が挙げられます。

損失回避の心理や選択肢過多のパラドックスを意識した設計が重要です。

カゴ落ち率の計算方法と比較指標

カゴ落ち率を正しく計測する方法

カゴ落ち率は以下の計算式で求められます:

カゴ落ち率 = (カートに入れた商品数 – 購入した商品数) ÷ カートに入れた商品数 × 100

Google Analytics等の計測ツールを活用して、正確なデータを取得しましょう。

モバイルとデスクトップの違いを追跡することで、優先的に改善すべき領域を特定できます。

他社と比較する際に知っておきたい業界平均

SaleCycle(CLOVERTECH)のデータによると、2021年の業界別カゴ落ち率がこちらです。

ファッション業界で84%、旅行業界で86%となっています。

引用:CLOVERTECH

これらのデータを基に、自社の改善目標を設定しましょう。

カゴ落ち対策の基本ステップ

ユーザーが安心できる購入フローの設計

シンプルで直感的な購入フローを設計し、不要な手順を削減します。

特にモバイル対応を強化することが重要です。

  • シンプルな購入フォームの作成
    ・入力項目を必要最小限に抑える
    ・選択形式を基本とし、入力の手間を軽減する
  • 購入手続きの簡素化
    ・購入までのステップ数を減らす
    ・無駄なページ遷移を削減する
  • 決済手段の多様化
    ・クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込など、複数の支払い方法を提供する
  • オプションの拡充
    ・速達や配達日指定など、ユーザーのニーズに合わせた選択肢を用意する
  • セキュリティ対策の強化
    ・SSL証明書の導入など、安全性を高める施策を実施する
  • 価格の透明性確保
    ・送料や手数料を明確に表示し、最終的な支払い金額を事前に確認できるようにする
  • 返品ポリシーの明確化
    ・返品・交換に関する情報を分かりやすく提示する

これらの施策を組み合わせることで、ユーザーが安心して購入できる環境を整え、カゴ落ち率の低減につながります。

ページ速度を改善する具体策

ページ速度を改善する方法としては、以下があげられます。

  • 画像の最適化
  • ファイルの圧縮と軽量化
  • ブラウザキャッシュの活用
  • Lazy Load(遅延読み込み)の実装
  • HTTPリクエストの最適化
  • サーバーの性能向上
  • CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の導入
  • コードの最適化
  • WordPressの最適化
  • 動画の埋め込み形式の見直し

フランスの自動車メーカー「ルノー」の事例では、LCP(※)を1 秒改善することにより、直帰率は最大14%減少しました。

また、コンバージョン率が13%増加という結果も出ています。

このことから、ページ速度の改善はカゴ落ち対策として有効だといえるでしょう。

※LCP(Largest Contentful Paint)=Webページのメインコンテンツとなる、視覚的に最も大きな画像や動画、テキスト要素がブラウザ上に表示されるまでの時間

参考:WEB.DEV

配送料の透明性を示す方法

配送料がかかるのかどうか、いくらかかるのかを明確に表示しておくと良いでしょう。

「配送料無料キャンペーン」や「送料無料まであと〇〇円」といった表示を活用します。

auPAYマーケットでは、商品をかごに入れる前から、配送料や会員特典として配送料無料になることが表示されています。

地域ごとの配送料がすぐにわかるのも親切ですね。

引用:auPAYマーケット

カゴ落ち対策ツールの活用

有名なツールの比較

カゴ落ち対策に有効なツールは多岐にわたります。

何を強化したいのかによって、活用するツールを選ぶようにしましょう。

以下は、有名なツールの1例です。

Rejoiner:カゴ落ちした人へのリマインダー、フォローアップメール

  • 個別メールを通じてカゴ落ちユーザーにリマインダーを送信するツールです。
  • 高度なパーソナライズ機能を活用して、ユーザーごとに最適なメッセージを配信します。

Optimizely:チェックアウトプロセスの改善や購入フローの最適化

  • A/Bテストとサイト最適化に特化したプラットフォームです。
  • カゴ落ちの原因となるUXの課題を見つけ出し、改善します。

Hotjar:離脱ポイントの特定とUX改善の計画立案

  • ユーザーの行動を可視化するツールです。
  • ヒートマップやセッションレコーディングを通じて、どこでユーザーが離脱しているのかを特定します。

 

マイクロコピーでカゴ落ちを防ぐ方法

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購入ボタンやフォームの改善例

「今すぐ購入する」 vs. 「後で買う?保存リストに追加」

あなたのECサイトには、「今すぐ購入する」ボタンが設置されていませんか?

必ずしも誤ったアプローチではありませんが、重要なのはそのタイミングでユーザーがこのコピーを求めているのかどうかです。

ここを考慮せず「買わせたいから」という理由でこのボタンを使うのはとても危険です。

例えば、ファッションサイトなら「気になる商品をピックアップしてから最終的に購入する商品を決める」というユーザーが多いと考えられます。

オンワードのECサイトでは、カートに入れた後に「あとで買う」ボタンが設置されています。

「あとで買う」ボタンを押すと、カートからは消えてお気に入りに登録される仕組みです。

ユーザーのニーズ、行動に沿ったマイクロコピーの使用がカゴ落ち対策になっている事例だと言えます。

引用:ONWARD

エラーメッセージやヒントの工夫

あなたも、フォーム入力中にエラーが出て「チッ!」と舌打ちをしたくなった経験はありませんか?

エラーが出ても、「どこが間違っているかわからない…もういいや!」と入力をやめてしまった方もいるのではないでしょうか。

入力フォームのエラーメッセージを具体的な説明にすることで、ユーザーの離脱を防げます。

オンワードの事例では、エラーメッセージとして「カタカナでご記入ください」「6桁以上でご記入ください」といったマイクロコピーが表示されます。

一目で何が間違っていたのかがわかるため、ユーザーは舌打ちすることなく入力を進めてくれるでしょう。

引用:ONWARD

信頼感を高めるコピー

ECサイトでは、配送、支払いのために必ず個人情報を入力してもらう必要があります。

その際に、ユーザーが「このサイトは安全なのか?」と感じる、そのままカゴ落ちしてしまう可能性があります。

「SSL認証済み」など、Webサイトが安全であることを明確に表示し、ユーザーが安心できるようにしましょう。

Oisixのクレジットカード登録画面では、「このサイトはreCAPTCHAによって守られています。」と表示されています。

さらにreCAPTCHAがGoogleのプラットフォームであることを記載し、より安心感を与えている事例です。

引用:Oisix

カゴ落ち対策の成功事例

大手ECサイトが取り組んだ施策

Amazonは、購入ワンクリック機能や「送料無料」の導入でカゴ落ち率を劇的に低減しました。

購入履歴に基づくレコメンドも、顧客満足度向上に貢献しています。

先述した購入ボタンの改善例で「今すぐ購入」ボタンは危険とお伝えしましたが、Amazonユーザーのニーズはどうでしょうか?

「すぐに買いたい」「即日発送してほしい」というニーズが高いため、「今すぐ買う」というコピーが適していると考えられます。

引用:amazon

中小企業でも取り入れやすい工夫

カゴ落ちしたユーザーへのフォローメールは、取り入れやすい工夫です。

株式会社イー・エージェンシーの調査データによると、カゴ落ちメールの平均開封率は43.42%~47.55%、平均CVRは3.05%~3.75%となっています。

これは、平均的なメルマガの開封率が20〜30%であることを考えれば非常に高い開封率と言えるでしょう。

引用:イー・エージェンシー

まとめ

カゴ落ちの原因は多岐にわたりますが、適切な対策を講じることで売上アップが期待できます。

特にユーザー心理を理解し、それに応じた施策を行うことで、持続的な成果が得られるでしょう。

効果的なツールやマイクロコピーを活用し、競争の激しいEC業界での成功を目指しましょう。

改善を続けることで、ユーザー体験の向上と収益アップが実現します。

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