ABテストのやり方完全ガイド｜効果的な検証方法と成功事例

ABテストとは？基本の概念を理解しよう

ABテストの定義と目的

ABテストとは何か？

ABテストとは、異なる2つのバージョン（AとB）を比較し、どちらが高い成果を出せるかを検証する手法です。

主にWebサイトのLPや広告、SNSの投稿、メールマーケティングで活用されます。

ユーザーの行動をデータ化し、数値をもとに最適化することが可能です。

ABテストは、マーケティング戦略の一環として非常に重要です。

例えば、ECサイトのカートボタンのデザインを変更することで、購入率が変化することがあります。

また、広告のキャッチコピーを少し変更するだけで、クリック率が大きく向上することもあります。

データに基づいた意思決定をするためには、ABテストの活用が不可欠だといえるでしょう。

どのような場面で活用できるのか？

＜LPのデザインやコピーの検証＞

例：CTAボタンの色や文言を変更し、クリック率を比較する

具体例：赤いボタンと青いボタンでクリック率を比較

＜Facebook・Instagram広告のクリック率向上＞

例：画像や動画を変更し、エンゲージメントの違いを測定する

具体例：商品の使用シーンを入れた画像と、シンプルな商品画像の比較

＜メールマーケティングの開封率・CVR改善＞

例：件名を変更し、開封率の変化を分析する

具体例：「今だけ限定特典！」と「あなたに特別なご案内」を比較

＜CTAボタンの最適化＞

例：ボタンコピーの変更により、クリック率を検証する

具体例：「購入する」vs「無料で試す」の違いを検証

ABテストのメリット・デメリット

ABテストの主な利点

実施する際の注意点

ABテストのやり方｜基本プロセスと成功のコツ

ABテストの実施ステップ

1. 目的設定（KPIの決定）

KPI（Key Performance Indicator：重要業績評価指標）とは、ビジネスやマーケティングにおいて目標達成の進捗を測るための具体的な指標のことを指します。

ABテストを行う際は、事前に明確な目標を設定しましょう。

以下のように明確な数値目標を立てるのが重要です。

「LPのCVRを10%向上させる」

「Facebook広告のCTRを2%から3%に改善する」

2. 仮説の立案

「CTAボタンの色を変更すればクリック率が上がるのでは？」

「コミュニケーションツールなので、コピーをフランクな表現に変えたらクリック率が上がるのでは？」

などといった仮説を立てます。

3. 変数の設定（デザイン・コピー・CTAなど）

テスト対象を明確にし、1つの変数のみを変更するのが理想です。

例えば、ボタンコピーと色を同時に変更すると、どちらの要素がクリック率に影響を与えたのか判断が難しくなります。

4. ツールを使ったテスト実施

Google OptimizeやOptimizelyなどのツールを活用し、ABテストを実施します。

5. 結果分析と次のアクション

テストが終了したら、統計的に有意なデータを分析し、次の改善策を検討します。

ABテストでよくある失敗と解決策

ABテストが意味ないと言われる理由

• 母数が少なすぎる
• テスト期間が短すぎる
• 変更点が多すぎて影響を特定できない

統計的に有意なデータの取り方

• 有意水準5%（p<0.05）を目安に結果を判断する
• 1つの変数のみを変更し、他の条件を統一する

効果的なABテストを実施するためのツール紹介

人気のABテストツール5選

ツール選定のポイント

無料 vs 有料ツールの違い

無料のABテストツールは、基本的なテストを行うのには十分ですすが、高度な分析や細かいターゲティングには制限があります。

大規模なテストや詳細な分析を行いたい場合は、より高度な機能を備えている有料のABテストツールを選びましょう。

初心者向け・上級者向けの選び方

• 初心者向け：Google Optimize、Unbounce　など
• 上級者向け：Optimizely、VWO　など

Google Optimizeは、無料で手軽に始められてGoogle Analyticsとの連携でデータ分析が簡単なので初心者におすすめです。

Unbounceも、専門知識がなくてもLP作成とABテストをいっかつで実施可能なので、主にLPの改善をしたい初心者に適しています。

大規模サイトで詳細なテストを実施したい場合はOptimizely、UX分析とABテストを同時に勧めたいならVWOと用途に合わせて選ぶと良いでしょう。

ABテストの成功事例と具体的な活用方法

国内外の成功事例

LP改善によるCVR向上事例

こちらは、海外のECサイトLP改善事例です。

オリジナルページではショップ名と製品の画像が大きく表示されています。

訪問者の認知負荷が軽減されてCVRが向上するのではという仮説の元、サービス・製品に関する情報を追加してテストを行いました。

引用：VWO

Variationページでは、カテゴリページへのアクセスが10.86%増加という結果になりました。

更に、別のABテストを行うことで全体としてコンバージョン率が 11.84% 向上しています。

このように、ABテストを繰り返し実施することで継続的に改善を行うことが可能です。

Facebook・Instagram広告でのコピー変更によるCTR向上

こちらは、Facebook広告のコピーのみを変更したテスト事例です。

引用：株式会社ジム

3つのコピーで広告を開始したところ、A案がクリック率2.35％で最も良い結果となりました。

画像や動画を一緒に変更してしまうと、どの要素がクリック率に影響したか見極められません。

コピーのみを変更することで、どのコピーが響いたのか明確に判断することが可能となっています。

SNS広告での最適化事例

こちらは、LINEで配信するバナーのABテスト事例です。

引用：CREAVE

画像を変更することで、バナー経由の売上が約3倍になっています。

作り込まれた感じが少なく、リアルな生活のワンシーンのように感じられる点がユーザーの行動を促進したと言えるでしょう。

マイクロコピーの活用でさらに成果を出す方法

CTAボタンの文言変更でCTR向上

ABテストで成果を上げた事例として、オバマ大統領が6000万ドルもの寄付金を集めたWebサイトが有名です。

メインビジュアルやボタンコピーの組み合わせで24パターンを用意してテストしました。

ボタンのコピーは6パターンです。

引用：Optimizely

ビジュアルとマイクロコピーの組み合わせの結果ではありますが、サインアップ率が元のページから40.6%向上しています。

フォーム改善で離脱率を下げる

ウェディング事業を行っている会社で、挙式エリア選択フォームのマイクロコピーを変更した事例です。

引用：DLPO

「第一希望」「第二希望」というコピーから「希望エリア」というコピーに変更することで、CVRが153.57％と大きく改善しています。

マイクロコピーを用いて、「まだ迷っている段階なのに、挙式場所を決めないといけない」というストレスを軽減させています。

まとめ｜ABテストのポイントを押さえて成果を最大化しよう

成功するABテストのチェックリスト

✓確かな目標を設定しているか？

✓変数を1つだけ変更しているか？

✓統計的に有意なデータを取得できるか？

✓適切なツールを選んでいるか？

次に実施すべきアクション

ABテストは、複数の表現を比較し、ユーザーに最も響くものを見極める手法です。

CTRやCVRの向上、サイト訪問者数の増加を目指し、効率的に成果を高められるため、業界を問わず活用すべき施策と言えます。

地道な検証と改善の積み重ねが必要ですが、続けることでWebサイトや広告の効果を最大化し、ビジネスの成長を加速させる強力な武器となるでしょう。