セール品を買うとき、元の値段が書いてあるとお得であることを感じませんか?
これは、アンカリング効果といって、価格比較の心理学が関係しているからです。
今回のブログでは、このアンカリング効果について詳しくご紹介します。
アンカリング効果とは?
アンカリング効果とは、最初に持った先入観をもとに判断してしまう認知バイアスのことです。
webマーケティングにおいては、最初に提示された価格を基準にして価値を判断してしまう心理効果が生まれます。
他にもこんなシチュエーションでこの認知バイアスがかかります。
例えば、あなたが友人との約束に遅刻してしまいそうな時。
AとBどちらの内容で連絡をしますか。
B:45分後に到着すると伝える
Aの場合は30分遅刻をしたとなりますが、Bの場合は「遅刻をしたけど急いで来てくれた」と印象づけることができます。
これは、あらかじめ伝えた到着時間の45分後が基準となり、15分急いでくれたという認知バイアスがかかるからです。
つまり、アンカリング効果とは、最初に見聞きした数字や価格が基準となり、比較や判断をしてしまう心理効果のことです。
アンカリング効果を使った事例
定価を表示する
セール品の購入を検討しているとき、元の値段が書いてある方がお得に感じませんか。
これは元の価格が基準となることで、価値のあるものを基準より低い価格で手に入れることができたと思うからです。
つまり、元の価格をユーザーの目に入れることで、値段の比較をさせて購入へと促しているのです。
引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/yancom/manaita.html
表を活用する
割引商品でなくても、アンカーリング効果を利用できます。
脱毛サロンLACOCOのLPでは、競合他社と自社の価格を表にまとめることで、一目でお得さが伝わるようになっています。
さらに、価格だけでなく施術部位も載せることで、より簡単に比較できるように工夫されています。
引用:脱毛サロンLACOCO
アンカリング効果の注意点
二重価格表示
アンカリング効果を使用することで景品表示法違反になるケースもあります。
景品表示法では、二重価格表示と呼ばれるアンカリング効果を利用した価格表示は禁止です。
二重価格とは、例えば、ある通販サイトが期間限定セールを実施した際、通常価格にあらかじめ50%上乗せした金額を値引き前価格として表示し、値引き後価格に「期間限定で50%OFF」と表示するといったケースです。
実際にその商品を高い価格で販売した実績がない場合は処罰の対象になります。
具体的にどのようなケースが違反となるかは、消費者庁が発表しているガイドラインを事前にチェックしておきましょう。
期間を設ける
何年も閉店セールをしているストアや、期間限定割引とうたった商品の価格がずっと戻らないストアを見かけることがあります。
しかし、そのような表示は「在庫処分のために安く販売しているだろう」「今だけ値段が安いのだろう」という誤認を消費者に与えるため、景品表示法違反です。
また、ユーザーに不信感を与えてしまうので、かえって逆効果になってしまいます。
順当に売上を伸ばし、信頼を得るためにもセールは期間を定めて行いましょう。
閉店セールについては消費者庁のQ&Aが参考になります。
効果が得づらい商材
お買い得商品として500円で缶ジュースが売られていたらどう思うでしょうか。
高いと感じる人が多いと思います。
なぜなら自動販売機などで売られている缶ジュースは、150〜200円程度のものがほとんどだからです。
アンカリング効果は、すでに相場や参考価格がわかっている商品とは相性が悪いので要注意です。
まとめ
基準値を作ることで比較させ、お得に感じさせることができるアンカリング効果。
ポイントは3つです。
- 割引商品は定価も表示する
- 比較表を活用して分かりやすくする
- 割引や限定サービスには期間を設ける
あなたのサイトにも活用できそうでしょうか。
「時間をかけずに売り上げを上げたい」、「確実に成果につなげたい」こう思っているならぜひマイクロコピーを見直してみましょう。
行動心理学を取り入れてみるのもおすすめです。
サイト改善のヒントになりましたら幸いです。
参考:https://fleeks.net/anchoring-effect/
参考:https://makefri.jp/marketing/6480/#6