消費者が商品やサービスの購入を検討する際、その決断を左右するものの一つに「マッチングリスク意識」があります。これは「購入後のリスク」を考慮する不安心理を指し、消費者の意思決定に強く関与しています。
本記事では、マッチングリスク意識について解説するとともに、マッチングリスク意識を払拭して購入に踏み切ってもらう=コンバージョンへつなげるための方策について、具体例を交えてご紹介します。
目次
マッチングリスク意識とは
マッチングリスク意識はどのような価格帯の商品であっても存在し、数百円・数千円の商品でも多くのユーザーが購入前に必ずリスクについて考慮します。
このリスクは、購入を踏みとどまらせる要因の1つとなるため、マーケティングにおいてこのマッチングリスク意識をどのようにして低減させていくかが重要なポイントとなります。
一方でこの心理は、裏を返せば「購入したい」気持ちの表れでもあり、マーケティング手法を工夫することで「購入」につなげるチャンスがあるとも言えるのです。ターゲットとなる消費者に合わせた工夫や不安心理を理解したマーケティング手法は、ビジネス成立に欠かせないテクニックの1つと言っていいでしょう。
マッチングリスク意識を払拭する3つのマーケティング施策
1)中立的意見「第三者レビュー」の起用
引用:https://www.amazon.co.jp/
企業側からの商品アピールは、時としてユーザーの疑念を強めてしまうことも。そこで有効なのが第三者によるレビュー「口コミ」です。実際に商品やサービスを購入・利用した消費者の声を公開することで、購入を検討している消費者により多くの判断材料を示すことができます。肯定的な意見と否定的な意見の双方を掲載することで、信頼感が増すものポイントです。
2)無料版商品やお試し期間の設置
引用:https://music.amazon.co.jp/
スマートフォンのアプリやオンラインサービスなどでよく用いられる手法として、まずは無料版をインストールしてもらい、気に入れば課金するというビジネスモデル(フリーミアムモデル)です。無料版やお試し期間で購入後のメリットを実際に体験することで、未知のサービスにいきなり課金するというユーザーの心理的ハードルを下げることができます。化粧品やスキンケア用品の試供品配布、オンラインサービスの無料期間等は、こうした効果を期待した施策です。
3)返金返品対応やアフターサービスの充実
引用:https://microcopy.org/lp/correction_service_b/
購入前のハードルを下げるための施策が試供品やお試し期間の設置であるのに対し、返金や返品保障は購入後のリスクを減らすための手法と言えます。高額な商品・サービスである場合は特に有効です。
また、商品の購入前/購入後にユーザーをサポートする施策は、商品購入の心理的ハードルを下げるとともに、企業に対するイメージ向上と信頼獲得という大きなメリットが。企業に対する信頼を得ることができれば「この企業の商品なら安心」という心理状態となり、それだけでマッチングリスク意識の大部分を払拭できるのです。
まとめ ─マッチングリスク意識を払拭する「工夫」が大切─
消費者に商品やサービスの購入を決断してもらうためには、マッチングリスク意識をいかに払拭できるかがポイント。マッチングリスク意識が生じる心理現象を知ること、ユーザーの不安や懸念点などに日々意識を向け、最適なプロモーション施策を検討することで、効果的に低減することができるのです。
自社がユーザー目線で商品やサービスを提供できているかを振り返るためにも「マッチングリスク意識」に目を向けてみてはいかがでしょうか。