
マイクロコピーライティング協会会長
野津 瑛司(のづ えいじ)
マイクロコピーとは何か?
「マイクロコピー」とは、購入ボタンやその周辺、決済画面や入力フォーム周りの短いコピーなど、これまでコピーライティングの教材や、専門家が全く話さなかった、非常に細部のコピーのことです。

近年、欧米をはじめマーケティングの感度が高い企業のウェブサイトで活用されています。
というのも、科学的な広告のA/Bテストにより、わずか数文字の表記の違いが、ウェブサービスの利用者を増やしたり、売上げを大きく改善させることがわかったからです。
旧式のセールスコピーと違い、マイクロコピーはライティングの経験も特別なスキルも必要ありません。
ボタン、決済画面、入力フォーム周りなど、売上に直結する部分を変えるだけなので、誰でも簡単に改善することが可能です。
マイクロコピーは、「今すぐに」「コストをかけずに」売上をアップさせたい方に最適のWebライティングスキルと言えます。
なぜマイクロコピーが必要なのか?
ビジネスの成長の鍵は、顧客を惹きつけ、顧客体験を最大化することです。そのためには、デザインだけではなく、マイクロコピーの力が必要になります。
なぜなら、サイトを訪れたユーザーの79%がコンテンツに目を通すものの、すべての単語を読むのはわずか16% しかいないからです。
有名なユーザビリティの専門家である Nielsen Norman Group によると、簡潔で読みやすいマイクロコピーによって、ユーザビリティが124%向上することが分かっています。
WEB上での顧客体験は、購買行動に大きな影響を与えます。

Adobeによる調査結果を見てみましょう。
・店頭で気になった商品をWEBで調べる消費者:52.3%
・TVや雑誌をみてWEBで調べる消費者:88.3%
つまり、WEBのユーザビリティが悪ければ顧客は買わないのです。
「たった数文字のマイクロコピーで何が変わるんだ」と思われるかもしれませんが、数千円の利益改善ができなければ、数億円の利益改善もできません。
広告費を投入して売上を2倍、3倍にするよりも、たった一言のマイクロコピーで1.2倍の改善を4回繰り返せば、コストをかけずに売上を2倍にできるのは明らかです。
「マイクロコピーの改善に取り組むということは、ダイナミックな事業戦略である」
これは、北の達人コーポレーションの木下社長の言葉です。
顧客の目線に寄り添って、マイクロコピーの小さな改善を積み重ねることが事業拡大の鍵の一つとなることが分かります。
日本でマイクロコピーを専門的・体系的に研究し、教育している機関は株式会社オレコンが唯一になります。
この度、マイクロコピーのシェアをさらに拡大させていくためにマイクロコピーライティング協会を設立いたしました。
日本においては、まだマイクロコピーを使わないことによる問題に気づいている人は少ないのが現状です。顕在化した頃にはもう手遅れになっているか、膨大な改善コストをかけることになる、というケースも少なくありません。
では、実際に、たった数文字を工夫するだけでどれだけ売上が変わるのか見てみましょう。
年商1,000万円、広告費が150万円の企業が、マイクロコピーを3回改善したことによってコンバージョン率を50%改善した場合の試算が以下です。
オリジナルの状態で、50%改善のときと同じ利益を出すには広告費がいくらかかるかを計算すると、240万円。つまり、90万円も余計に費用がかかるということになります。
この浮いた90万円を改善後のサイトに使えば、改善後の広告費率は10%まで下がっているので、追加で900万円が作れます。
要するに、マイクロコピーの改善をしていないということは、毎年900万円を捨てているのと同じことなのです。
しかも、マイクロコピーの改善は10分でできること。
たった数文字を工夫するだけでこれだけの差が出るのですから、最優先するべき事業戦略だということが分かりますよね。
しかし、マイクロコピーの改善に取り組む企業のなかには、顧客理解を疎かにした「こういうフレーズを使えばいい」というパクリだけのケースが多いのも現状です。
そういった施策では効果が薄いか、むしろユーザーの不信を招いて売上が下がることさえあります。ユーザビリティの重視と改善スピードにおいて、日本は海外に圧倒的に負けています。つまりビジネスで海外勢に負けてしまうのです。
いい商品かどうかではなく、それを伝えられているか?ということ。
大事なのは、顧客の目線に立ったデザインとユーザビリティです。中身で勝負!では100%負けてしまいます。今後の日本のビジネスのためには、低コストでハイリターンの改善施策が必要です。
私たちマイクロコピーライティング協会はその嚆矢となることを目指しています。
MISSION
「ウェブサービスの利用者を増やしたい」、「売上げを大きく改善させたい」 と、日々コツコツと努力しているのに、結果や評価につながらず報われない。
そんな経営者やWeb担当者・デザイナー、セールスライターなどの方々に、たった数文字を工夫するだけで利益を大きく上げる手段となるマイクロコピーのノウハウの提供を通じ、超採算的な、理想の生き方を手に入れてもらうことが私たちの使命です。
VISION
顧客ファーストを掲げる企業が、顧客理解とマイクロコピーに当たり前に取り組む社会を私たちは目指しています。
国内のサイトにおいて、マイクロコピーの知名度や普及率はまだまだ高くありません。しかし、マイクロコピーは、余計なコストをかけられない多くの中小企業の成長、ひいては日本のビジネス成長の突破口となるテクニックです。
マイクロコピーライティング協会及び microcopy.org は、そのマイクロコピーの世界基準をリードし普及させるメディアであり続けます。
CORE VALUE
[事業利益の最短改善の道標となる]
顧客エンゲージメントを高めるには、マイクロコピーの他にも様々な方法があります。SEO、PPC広告、メールマガジン、期間限定セール、ページデザインの改善……もちろんこれらは重要です。
しかしいずれも、成果が出るまでにそれなりの時間やお金がかかります。ビジネスにおいては、苦労したら、苦労した分だけ見返りがあるわけではありません。真面目な人ほど成果が出ないこともあります。
しかし、マイクロコピーなら、大きなコストがかからず、スピーディに成約率を上げることが可能です。
デジタル分野に関わるすべての人が、苦労したり、遠回りしたりせず、本当に幸せな生活を営むために、私たちが事業利益の最短改善の道標となります。
[仮説と検証、データ主義]
私たちは「数字、事実に基づいて話し合う」ことを徹底しています。
わずか数文字で売上が大きく変わるWebの世界では、ツールを使って数字を確認する必要があります。狙い通りにうまくいったのか、たまたまうまくいったのか、うまくいかず改善が必要なのか、テストを停止すべきなのかを判断するには、数字に基づく分析が欠かせません。
ウェブサイトのコンバージョン改善においては、セオリー通りにいかないことがしばしばあります。検証することが重要です。
我々のボスは顧客であり、社長やマーケッター、コンサルタントは参考意見に過ぎません。つまり、正解は顧客にあるということです。
憶測で会議を進めるのではなく、事実を1つ1つ集めて仮説を立て、改善する。私たちのビジネスにとって数字は重要な要素であり、事実に基づく意思決定は成功につながると信じています。