自社やクライアントの広告運用で、このような悩みはありませんか?
「商品は良いのにCVRが低くて売上が伸びない」
「たくさん売り上げても広告費でゴッソリ持っていかれる」
広告運用では、かかったコストと成果のバランス、つまりROASを把握することが重要です。
この記事ではROASについての基本的な知識と、広告費を抑えて利益を最大化する改善施策を8つ解説します。
目次
ROASについて押さえておくべきポイント
ROASとは広告運用における費用対効果を測定する指標です。
広告にかけるお金や時間を無駄にしないためには、ROASを計測しながらA/Bテストを繰り返す必要があります。
そのために、まずはROASの意味や計算方法を正しく把握しましょう。
ROASとは何か?
ROASとは「Return On Advertising Spend」の頭文字を取った言葉で、「広告費に対していくらの売り上げが出たか」を測定する指標です。
指標が高いほど、広告運用によって売上が得られているということになります。
ROASの計算方法
ROASの計算方法は以下です。
例えば、「広告費を200万円使って売上が1000万円だった」場合はこのような計算式になります。
1000万円÷200万円×100(%)=500%
よって、上記の式からは広告費1円にして5円の利益があったということが分かります。
つまり、ROASの数値が高ければ、それだけ広告が効率的に運用されているということです。
ROIとの違いは?
ROASと似た指標に、ROIがあります。
ROIとは「Return On Investment」の頭文字を取った言葉で、「利益を得るためにどのくらいの費用がかかったか」を測定する指標です。
ROIの計算式は以下になります。
ROASが売上を基準にしているのに対し、ROIは利益を基準にしています。
今すぐできるROAS改善方法
ROASが低いときにやることといえば、キャンペーンやターゲットの見直し、広告媒体の見直し、クリエイティブの見直しなどがあると思いますが、その中でもコストをかけず今すぐできるおすすめのROAS改善施策を8つご紹介します。
ボタンの改善でCVRを高める
CVボタンは売上に直結する部分なので、文言やデザインを少し工夫するだけでも大きな改善が見込めます。
例えば、このように既存のCVボタンの周りにマイクロコピーを加えるだけでもCVRが上がります。
ボタンの上に「初回36%OFFでお得」といった購買意欲をかきたてるマイクロコピーを置き、それでも迷っている人のためにはボタンの下に「いつでも解約できます」というコピーを添えて安心させるというわけです。
「一番売れるボタンの色は?」
「どんな言葉を入れるとクリックされるのか?」
など、売れるCVボタンのデザインやコピーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【完全版】売れるCVボタンをデザインするのに必要な10のポイント
客単価をアップさせる
客単価をアップさせることでもROASの改善が可能です。
客単価をアップさせる施策はいくつかありますが、その中でも簡単かつ効果の高い方法をピックアップします。
「〇円以上で送料無料」にする
デロイトの調査によると、オンライン消費者の40%は、「〇円以上で送料無料」の表示がある場合、より多くの商品を購入する傾向があると分かっています。
ほぼ確実に客単価が上がるため、今では国内外のあらゆる通販サイトが実施していますが、実は、「〇円以上で送料無料」のマイクロコピーを表示する場所にも注意が必要です。
実際に、サイトのトップバー、サイドバー、カートの3箇所に「150ドル以上で送料無料」の表示を増やしただけで平均注文額が26%アップした事例もあります。
参考:https://www.abtestcases.com/testcases/adding-free-shipping-information-to-the-cart-page/
あなたのサイトにおいて顧客の目に留まりやすい場所はどこでしょうか?
是非いくつか設置してテストしてみましょう。
「おひとり様○点まで」と表示する
「おひとり様○点まで」は購買意欲をかきたてる魔法の言葉です。
例えば、マツモトキヨシのオンラインストアでは商品ページに「おひとり様12点まで」と赤色の太字で書かれています。
参考:https://www.matsukiyo.co.jp/store/online
このように書かれていると、たくさん買った方がお得な気がしてきますよね。
実際に、北の達人の木下社長による著書『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング』には、「お一人様2個まで」という8文字を入れただけで購入者の約半数が2個買いするようになったというエピソードが紹介されていました。
まとめ買いを提案する
「3個セットで10%OFF」というふうに、まとめ買いの提案をすることで客単価をアップさせることが可能です。
また、「はじめてセット」「一人暮らし家電セット」のような提案型のセット商品を用意する方法も効果的と言えます。
新生活や年末の大掃除など、季節ごとのイベントと相性が良い施策なので、シーズンに合わせたセット商品をぜひ用意してみましょう。
関連商品の提案(クロスセル)
通販サイトで「この商品を購入した人はこんな商品を買っています」といった案内を目にしたことはありませんか?
例えば、AmazonでPCスタンドの商品ページを見ていると、「よく一緒に購入されている商品」としてキーボードやマウスが紹介されます。
このように「ついで買い」を誘うアプローチも客単価のアップには効果的です。
松竹梅の価格設定を用意する
「松竹梅の法則」という言葉を聞いたことがありますか?
人間の心理作用として、3つの選択肢を差し出されるとつい真ん中を選んでしまうというものです。
エコノミスト誌の有名な事例では・・・
A:デジタル版の年間購読 59ドル
B:紙版+デジタル版の年間購読 125ドル
このA・Bの選択肢にもう一つ、Cを追加しました。
C:紙版の年間購読 125ドル
結果、A・Bの2択ではBを選んだユーザーは32%だったのに対し、Cを加えることでBを選んだユーザーが84%まで増えたのです。
このように、明らかに選ばれないであろう選択肢を追加した場合でも、3択にすることでCVRが上がることが分かります。
リピート率を高める
リピート率を高める効果的な方法といえば会員登録です。
会員にメルマガやダイレクトメールを送ることで関係性を構築できますし、そうすれば顧客一人ひとりのLTV(顧客生涯価値)が増加します。
会員登録を促すときは顧客にとっての具体的なメリットを打ち出しましょう。
例えば、ディノスの新規会員登録ボタンには「初めてのお買物で、次回に使える 1,000円分クーポンプレゼント!」というコピーが添えられています。
ただし、顧客によってはメリットよりも面倒くささが勝つ場合もあるため、SNSアカウントを使って簡単にログインできるソーシャルログインを用意したり、会員登録なしで買えるような工夫も必要です。
会員登録を増やす具体的な方法については、こちらに詳しくまとめたのでぜひ参考にしてください。
EFO(エントリーフォーム最適化)
EFOとは、「Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)」の略です。
エントリーフォームとは、文字や数字を入れる入力欄のこと。
会員登録、注文、お問い合わせ、資料請求の申し込みなど、さまざまなシーンで設置される入力フォームですが、離脱されやすいポイントでもあります。
しかし、入力フォームをユーザーが使いやすいようにデザインしたり、マイクロコピーを付けて顧客をサポートすることで売上アップに繋げることが可能です。
例えば、次の1〜4のうち、最もスムーズに入力してもらえるのはどれだと思いますか?
・・・答えは4です。
4が最も理想的である理由とEFOの8つの改善ポイントについては、こちらの記事で解説しているので是非チェックしてみてください。
EFOとは?無料でコンバージョン率をアップさせる8つの改善ポイント
まとめ
広告運用では、かかったコストと成果のバランス、つまりROASを把握することが重要です。
今回ご紹介した8つのROAS改善方法の中でも特に、CVボタンのマイクロコピーは効果的かつ5分の作業でできる方法なので是非試してみてください。
顧客目線に立ち、改善を繰り返してROASをどんどん上げていきましょう。