グロースハックとは

グロースハックとは

グロースハックとは、製品やサービスについてのデータを分析・収集し、改善のための施策を実施することでマーケティングの課題を解決していく手法のことです。

2010年にアメリカQualaroo社CEOショーン・エリスによって提唱されたと言われています。1990年後半、ゲーム会社に勤めていたショーンはグロースハックの手法で会社を業界TOPへと成長させました。その後、ショーンの手腕が認められ、Dropboxのマーケテイングアドバイザーを担い、市場拡大に貢献しました。

グロースハックは現在、様々な業界で取り入れられ、ビジネスの成長に役立っています。従来のコストがかかるマーケティングとは異なり、低コストで効果を上げやすく、効率的にビジネスを成長させることができます。

従来のマーケティングとグロースハックの違い

マーケティングとは、ユーザーを獲得し、売れる仕組みを作ることを指します。従来のマーケティングの手法は、膨大な広告費やコストをかけ、結果を求めるというハイリスクなものでした。

一方で、グロースハックとは、なるべく低コストでのリターンが求められます。経費の少ない施策を数多く行い、検証・改善を繰り返しながら実施することで、予算重視のマーケティングではなく、効率・効果を重視した施策を打つことができます。

また、コストの少ないグロースハックの手法として、ユーザーによる拡散の仕組みを考えて組み込むことも有効的です。なるべく短いスパンで継続的にPDCAを繰り返すことで、効果的かつ効率的にサービスや製品の成長を促します。

グロースハックで成長を遂げたDropbox

グロースハックにより、成長した事例としてDropboxが挙げられます。

1.シンプルな会員登録ページの制作

https://www.dropbox.com/ja/login#
名前とメールアドレス、パスワードを入力するだけのシンプルな会員登録画面で使ってもらうユーザーのハードルを下げることに成功しました。

2.友人招待キャンペーン施策
既存のユーザーが友人を招待すると、紹介者と友人の双方に500MBの追加容量をプレゼントするという施策を打ち出しました。結果、Dropboxは登録者を60%増加させることができました。友人招待キャンペーンの施策により、ユーザーとなった友人がさらに友人を招待することにより、半永久的にユーザーを増やすことを可能にしています。

3.SNSで拡散する
SNSの利用はグロースハックにおいて効果的な手法です。Dropboxは、TwitterやFacebookとの連携で125MBの容量をプレゼントする施策を実施しているそうです。

4.共有の簡易化で潜在的なユーザーの囲い込み
Dropboxでは、ユーザーが非会員にファイルや写真を共有することも簡単にできます。まだ、Dropboxを知らない人や利用していない人へアプローチできる機会を作ることができます。既存ユーザーを上手く活用することで幅広く認知を広めることを可能にしています。

グロースハックの5つのフレームワーク

グロースハックを行う上でのフレームワーク「AARRR(アー)」

AARRRとは、サービスの各成長段階を表す名称の頭文字で
・Acquisition(=ユーザーの獲得)
・Activation(=ユーザーの活性化)
・Retention(=ユーザーの継続利用)
・Referral(=外部への紹介)
・Revenue(=収益)
のことを指します。各段階ごとにKPIを設定し、分析や改善を継続的に行うことで、計画的な成長戦略を立てることができます。プロダクトの障壁となる課題がどの段階にあるのかが明確になり、迅速に施策を打つことが可能になります。

《AARRRモデルを活用する際のポイント》
実際にどのようにAARRRを活用していくのか通販サイトを例に見ていきます。

A(Acquisition=ユーザーの獲得)→サイトの訪問者の数値やデータをみて効果的な施策を考えます。データを検証できるツールとしてGoogleアナリティクスやSimilarWebが有効的です。SEO対策やLPページの最適化が効果的です。例に挙げているDropboxの会員登録画面もシンプルで分かりやすいものになっています。

A(Activation=ユーザーの活性化)→ユーザーの行動を分析し、数値化します。サンプルを配布するなどの施策を打ち、その結果の申し込みの割合を計測して、ユーザーの活性化を促します。

R(Retention=ユーザーの継続利用)→無料サンプルで配った商品・サービスを再度購入・利用してもらう段階です。ここでの施策として有効的なものとして、割引券の配布やポイントを通常の2倍付与するなどのキャンペーン施策で再購入を促します。

R(Referral(=外部への紹介)→購入してもらった商品を周りの人に拡散してもらう段階です。紹介者と友人双方にメリットがあるような施策を打ち出すことが効果的です。Dropboxが実行している紹介者と友人に追加容量500MBをプレゼントしている施策も外部への紹介段階の施策です。

R(Revenue=収益)→これまでの施策が効果的にサイクル化していき、収益化していく段階です。打ち出した施策の細かい分析を行い、さらに効果の高いリソースでビジネスを成長させます。
各段階ごとに施策を考え、実行し、的確にユーザーにアプローチしていくことが重要です。

まとめ

グロースハックの3つのポイント
1.データ分析による仮設検証
2.検証に基づいたサービスや製品の開発
3.ユーザーの獲得から収益化までを成長させることがゴール

製品やサービスを形にしてローンチした後もグロースハックのフレームワークを使って改善を進めていくことで、事業拡大・収益拡大につながります。

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