ユーザビリティテストとは

ユーザビリティテストとは

ユーザビリティテストとは、Webサイトやソフトウェア、製品やサービスなどを実際にユーザーに試してもらうことで、問題点や改善案を見極めるテストのことです。

実際に、ユーザーの反応を見ながら進めるテストなので、制作者側では気づかない問題点を抽出でき、より良いプロダクトを制作するために役立ちます。

ローンチ時だけでなく、デザインの変更や機能を追加したい場合などにも、ユーザビリティテストを実施することで、ユーザーがより使いやすいプロダクトを届けることに繋がります。

ユーザビリティテスト実施のメリット

プロダクトのローンチ時やリニューアル時に、ユーザビリティテストを行うことで、どんなメリットがあるのかご紹介します。

・根拠に基づいた改善活動ができる
ユーザーに製品を実際に使ってもらい、「使いづらい」や「分かりずらい」といった生の声を客観的に知ることができます。根拠に基づいた改善ができるため、スピーディーに正確な改善案を立てることができます。

・コンバージョン率の増加に繋がる
コンバージョン率の増加は、ユーザビリティテストの最大のメリットであると言えます。ECサイトであれば、最終的にどれだけ商品を購入されたかを示す割合のことを言います。商品の購入までの流れを実際に使ってもらいながら、テストすることで、ユーザーが商品を購入するまでに、どこで迷ってしまうのかを把握することができます。

・課題を発見できる
実際にユーザーにテストしてもらうことで、制作者では発見できなかった課題を見つけることができます。普段ユーザーが、どのような気持ちで製品やサービスを使っているのかは、制作者側では分からない点が多いです。
ユーザーテストの行動記録やインタビューを基に、ユーザー視点に立って課題を調査することが重要です。

ユーザビリティテストの成功事例

ある自動車保険代理店のユーザビリティテストの成功事例をご紹介します。売上低迷に悩んでいたこちらの代理店では、Webサイト改善を行う過程で、大きな課題点が3つありました。

・昔から使用しているホームページしかない
・保険購入前にホームページで調べるユーザーが増加してきた
・ネット系損保が自動車保険で存在感を高めている

3つの課題を解決するために、どのようにサイト改善をしたらユーザーが利用しやすくなるのかユーザビリティテストを実施しました。そこで、見つけられた点は、

①保険に詳しくないユーザーが代理店と保険会社の区別がつかない
②団体割引20%の表記があるが、実際どのくらい安いのかわからない
③割引を利用することで、サービスの質が低下するのではないかという懸念

ユーザビリティテストを行ったことにより、ユーザーの懸念点を抽出することができました。懸念点をもとに、Webサイトに改善を加えました。

①代理店の仕組みを明確に記載した
②実際の割引事例を明確な値段で記載した
③不安解消のためにQ&A項目を追記した

3点のような改善を加えた結果、問い合わせ件数が毎月10倍になり、売上アップにつながりました。

ユーザビリティテストの進め方

ユーザビリティテストは、次の手順で行っていきます。

①目的を明確にする
なぜ、テストを行うか明確にします。アクセス解析ツールなどを使い、現状の問題を分析し、課題を明確にします。課題を基に、目的を設定することで、テスト中に見ておくポイントや改善策が立てやすくなります。

②仮説を立てる
ユーザーがどんな行動をとり、どんな感想を持つか、目的を基に仮設を立てます。この時、ユーザー視点で仮説を立てることが重要です。制作者側の思い込みの仮説では、テストが上手くいかないことがあるので注意が必要です。

③シナリオとタスクを用意する
協力者に具体的な行動を指示します。どんな場面で、何をしてほしいのかを具体的に設定します。例えば、ECサイトでの商品の購入の場合には、

・シナリオ
友人の結婚祝いのプレゼントを探している
・タスク1
予算10,000円程度の商品を選んで購入する
・タスク2
クレジット決済をする

このようにシナリオとタスクを明確に示すことで、目的に沿った行動を観察でき、統一性を持たせることができます。

④質問内容を設定する
協力者に答えてもらう質問事項を設定します。この時、「はい」・「いいえ」の2択で答えられる質問は避けることがポイントです。「なぜ、このバナーをクリックしたのか」や「どうして途中で購入フォームの入力をやめてしまったのか」など5W1Hを意識した質問を作成しましょう。このような質問を投げかけることで、ユーザーの行動を深堀りすることができます。

⑤リクルーティングする
協力者を集めることです。サービスのターゲットに近い協力者を集めます。しかし、ターゲットの範囲を限定しすぎると人数が集まりづらくなるので注意が必要です。協力者の属性の範囲を広げれば、様々な行動パターンを観察できることにも繋がります。

⑥テストの実施
テスト環境を整え、協力者がリラックスした状態で実施できるようにします。協力者の行動は、メモを取ったり、ビデオで撮影するなどして記録します。細かな言動に、改善のヒントが隠されていることもあります。

⑦結果を分析する
テスト中のメモやビデオを分析し、評価を行います。協力者の言動の記録を基に、問題点を洗い出し、改善につなげていきます。

まとめ

ユーザビリティテストは、ユーザーの行動をリアルに観察することで、制作側では気づかない問題点を見つけることができます。ローンチ時だけでなく、リニューアル時などにも実施することで、より良いプロダクトを提供することに繋がります。

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