チャットボット(Chat bot)とは

チャットボット(Chat bot)とは

「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、「自動会話プログラム」のこと。 チャットは、インターネットを利用したリアルタイムの会話を指し、双方向にテキストでやり取りされます。ボットとは、ロボットの略語で、人間に変わってあらかじめプログラミングされた処理やタスクを自動で行うものです。これら2つを組み合わせることで、人間に代わりロボットが対話を行います。
ユーザーの疑問、質問に対してリアルタイムに対応できるカスタマーサポートシステムとして、近年Webサイトに導入する企業が増加。リアルタイム対応ができるという点から、「オンライン接客ツール」と呼ばれることもあります。
海外では、新たな職業としてチャットボットライターが現れ、チャットボットの個性やブランドボイスを設計する役割を担っています。劇作家やコメディアン、詩人といったクリエイティヴな仕事に従事する人たちがチャットボットの設計に携わることもあり、機転のきいた返答のできる、優れたペルソナ開発が進められています。

チャットボットの事例

チャットポットの成功事例として有名なのは、アスクル株式会社が運営するLINEチャットポットのLOHACOマナミさんです。カスタマーサポートを担当しており、全てのお問い合わせの1/3をマナミさんがカバーし、省人効果は6.5人分と言われています。

出展:ニュースリリース | アスクル株式会社 企業サイト 16/05/19
人工知能型チャットボット”マナミさん” LOHACO全お問い合わせの3分の1をカバーし、省人化とお客様満足度向上を実現

チャットボットを導入するメリット

1、リアルタイムなサポートが可能
一般的なホームページには、問い合わせフォームやサポートセンターへつながる電話番号が設置されています。しかし、その場で疑問や質問を解決できなければ、訪問ユーザーが離脱し、機会損失を生むことになりかねません。
チャットボットの導入によりリアルタイムなサポートが可能になると、ユーザーの離脱を防ぎ、サイト訪問者の「ちょっと知りたい」をすぐに解決できるようになります。

2、問い合わせ数アップ
メールや電話よりも気軽に使えるというのがチャットボットのメリットの一つです。特にインターネットの知識がないユーザーの場合、メールでの問い合わせは不安なものですが、チャットであれば会話をするように気軽に相談できます。少ない文字数でも、やり取りが増えれば増えるほど信頼につながり、顧客満足度も向上します。

3、スタッフの生産性アップ
チャットボットを導入すると、今まですべて有人で行っていた対応業務を一部自動化することができるため、サポート業務の効率化が期待できます。特にパターン化した問い合わせに関しては、チャットボット内で対応が完結するため、スタッフの負担軽減と生産性アップにつながります。一人で複数人に対応することで、人件費を削減できる点でもメリットです。

4、データの蓄積とWebサイト改善
Webサイトにチャットボットを設置すると、訪問したユーザーの情報が可視化されます。質問や会話のデータだけでなく、どのページから訪問したか?どんなページを閲覧したか?といった情報まで把握でき、Webサイト改善に役立てられます。例えば、データをもとに、特定のページでよく質問される内容を先に表示させたり、コンバージョンや再訪を促すために過去反響率が高いメッセージを表示することなどが可能です。

チャットボットを導入するデメリット

1、複雑な質問には不向き
チャットボットは基本的に回答データベースに用意されている情報をユーザーへ提示することだけを行います。AI非搭載型のチャットボットは単純なキーワードに応答しますが、AI搭載型でもあらかじめ想定されていない質問に対して回答はできません。そのため、複雑な質問や詳細な説明が必要な質問には不向きです。

2、導入までに準備が必要
チャットボットは導入までに時間がかかり、次の4つのものを準備する必要があります。

・FAQ(想定される質問と回答)
・シナリオ(状況によって回答が分岐する場合のロジック)
・(AI搭載の場合)AIへの類似表現のインプット
・チャットボットをカバーするための人材

チャットボットの比較方法

1、AI(人工知能)を搭載しているか?
チャットボットサービスは、AI(人工知能)搭載の「AI型」とAI非搭載の「シナリオ型」の大きく2種類に分類されます。AI型の場合、自然言語処理によって文脈から最適な回答を引き出すことができ、ある程度複雑な質問にも対応可能です。シナリオ型の場合は、決められたキーワードでのみ回答を絞り込み、ルール通りに回答します。AI型は月額10〜40万円と価格が高く、シナリオ型はサービスによっては月額5,000円〜数万円で使える場合もあります。

2、AI型チャットボットは、自社開発かOEMか?
AI型チャットボットは、「自社開発AI」か「他社AIのOEM」かで分けられます。自社開発の場合、AIのロジックを把握して精度を高められる点が最大のメリットです。最新の技術や顧客の声を取り入れながら機能を強化できます。一方、他社AIのOEMの場合、他社で開発されたAIを使うため、AIの学習においてブラックボックスが生じてしまいます。しかし、ベンダーによっては元々コールセンターを運営していたり、有人対応のアウトソースまで担えるという利点もあります。

3、シナリオ型チャットボットは、用途に合っているか?
AI非搭載のシナリオ型チャットボットは、用途に合わせた比較がオススメです。例えば、ECサイトや問い合わせ内容が数十種類に限られる場合は「問い合わせ対応」に特化したもの。申し込みフォームをBot化したり、Facebook広告と組み合わせて顧客獲得単価を下げたい場合は、「マーケティング支援」に特化したもの。ホテルやレストランなどで、問い合わせから予約までAIで完結させたい場合は、「インバウンド対応」に特化させ、多言語対応のAIを搭載したものを使うと効率アップにつながります。

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