「カゴ落ち」とは、ECサイトを利用するお客さんが商品をカートに入れたまま離脱してしまうことを指します。
リサーチ会社Baymard Instituteの調査によると、2016年度では世界の69.80%ものショッピングカートにカゴ落ちが起きているとの報告があります。
カゴ落ちを防ぐために押さえておきたいポイントや、購買意欲をかきたてる方法を8つ紹介します。
Contents
はじめに「会員登録フォーム」を改善する
通販アプリを提供する株式会社マージェリックのアンケート調査によると、「購入をあきらめた、もしくは条件は悪くなるが普段使いのサイトで購入した理由」を尋ねたところ、「アカウント(支払情報や住所情報)の登録がめんどうだったため」が62.8%と最も多いことが分かっています。
https://mergerick.com/release/hopping_0920.html
カゴ落ち対策はまず、「会員登録フォーム」の改善から始めましょう。
ユーザーをガイドするマイクロコピー
サイトに来た人の半数以上が、会員登録の段階で挫折している・・・
そんな鬼門とも言うべき会員登録フォームの中でも、最も面倒な作業の一つが、ユーザー名とパスワードの設定です。
なにか入力して送信するたびに「数字は半角にしてください」「記号を入れてください」「文字数が足りません」などのエラーが出てくると、誰だってイライラしてしまいますよね・・・
Mailchimpのアカウント作成フォームは、素晴らしいお手本です。
入力を開始すると、ユーザー名の作り方について適切なマイクロコピーでガイドしてくれます。
「文字と数字のみで構成されたユーザー名か、またはあなたのメールアドレスを選んでください」
さらに、パスワードを入力すると、パスワードの条件を満たしているかがリアルタイムで分かります。
各項目の条件を満たしてはじめて、「始めよう!」のボタンがクリック可能になるのです。
会員登録フォームの改善ポイントについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ見てみてくださいね。
>『会員登録フォームのマイクロコピーと会員を増やす10の方法』
ZOZOTOWNのカゴ落ち対策
ZOZOTOWNのカゴ落ち対策は見事です。
商品を購入するのに、会員登録は不要。
唯一、メールアドレスを入力して「注文する」をクリックすると、「ARIGATO!ご注文ありがとうございます」と、次のページに進みます。
実際はまだ、この段階では注文は確定していないのですが、先に「ありがとうございます」と完了した体裁でメッセージが表れるのがポイントです。
あとは配送先の住所を入力して「決定」ボタンを押すだけ。
もし、購入が確定されずに、カゴ落ち状態になったとしても、メールアドレス情報を先に預かっているため、お店から「配送先のご入力はお済みでしょうか?」と、リターゲティングメールを送ることができます。
お客さんの利便性を最優先に考えつつも、最低限必要な情報であるメールアドレスはしっかり確保している、とてもよくできた流れになっています。
ユーザーの心理を汲み取る
安いと思って商品をカートに入れたのに、配送先の住所や名前を記入した後になって、高額な送料や、税金、手数料を知らされるほど気分の悪いものは無いですよね・・・
「思いがけないコスト」は離脱につながります。
ユーザーの心理を汲み取るマイクロコピーをつけ、安心して購入を完了できるようにしましょう。
成約率が11.30%アップした一言
「思いがけないコスト」による離脱を防ぐために、SEOのプラグインを販売しているとある企業では、ショッピングカートの「支払い確認画面」にこんな工夫をしてみました。
「there will be no additional costs(ここから追加のコストは発生しません)」というマイクロコピーを追加したのです。
その結果・・・11.30%も成約率がアップしました。
このように、ちょっとしたマイクロコピーを入れるだけで、ユーザーを安心させ、背中を押すことができます。
ステップチャートをつける
カゴ落ちを防ぐには、購入プロセスで「あと何ステップでゴールなのか?」が分かる、ステップチャートをつけることがオススメです。
ほしい!ノベルティの事例
『ほしい!ノベルティ』では、注文画面に進むと、このようなステップチャートが表示されます。
赤くなっているところが今のステップになります。今は「ご注文依頼」のところですね。
このように、あと何ステップすればゴールなのかが一目でわかるようになっていると、離脱率を下げることができます。
究極にシンプルなPinkoiの事例
さらに言うと、ステップはできるだけシンプルにすると良いでしょう。
台湾発のグローバル通販サイトPinkoi(ピンコイ)では、たったの2ステップです。
①ショップを選択
②ご住所とお支払い
たったの2ステップなら、どんなに忙しい人でも、その場で注文を完了できますよね。
「カートは空です」を行き止まりにしない
目的のアイテムをカートに入れたか確認するときや、カートに入れたアイテムを削除したときなど・・・空のカートは意外とよく見られています。
空のカートを行き止まりにしてしまうのは、もったいないです。
このページをもっと有効活用して、ユーザーの購買意欲を高めましょう。
トップページへ誘導する
Pinkoiの空のカートは、サイトの雰囲気にぴったりの可愛いイラストつき。
「今すぐ探す」ボタンを押すと、トップページへ遷移します。
トップページへ誘導するだけというシンプルな仕組みですが、トップページから「特集」ページを見たり、「最近チェックした商品」を再検討するなど…次のアクションへ上手く繋げているところが素晴らしいですね。
トレンドを紹介する
Society6は、ユニークなマイクロコピーでショップが厳選したコレクションへ案内してくれます。
「カートは空です…でもなにか欲しいのでは?」
ボタンをクリックすると、トレンドの商品、カテゴリーごと、スタイルなどに分類されており、欲しいものを見つける手助けをしてくれます。
購入履歴からオススメ
Amazonの空のカート「Amazonカートは空です」という表示の下に、「おすすめを見る」というコピーが添えられています。
リンク先へ飛ぶと、よく買っているものや、購入履歴に関連する商品の一覧が出てきます。
パーソナライズされた「おすすめリスト」であるため、欲しいものがないか思わずチェックしてしまいますね。
まとめ
カゴ落ちは、世界の69.80%ものショッピングカートに起きているといいます。
今回は、カゴ落ちを防ぐために、購入プロセスをサポートしたり、購買意欲をそそる方法を紹介しました。
購入するモチベーションの高いユーザーをターゲティングした施策ですので、難易度が低く、大きな効果が期待できるはずです。
ぜひ、紹介した8つのカゴ落ち対策を参考に、売上アップさせてくださいね。