40.6%改善!オバマ元大統領の選挙戦から学ぶマイクロコピー事例

事例, 考え方

購読ボタンの小さなコピーから生まれた18%の差

オバマ元大統領は、アメリカの選挙戦にオンラインキャンペーンを積極的に活用した、第一人者として知られています。

Webサイトでの情報発信、特にメルマガ購読者を増やすことが、資金集めに大きな力を発揮することを、知っていたからです。

そこに登場するのが、2007年にGoogleのプロダクトマネージャー職を辞めて、オバマの選挙対策チームの一員に加わったたダン・シロカー

彼は着任してから間も無く、オバマ陣営のキャンペーンサイトを見て、メルマガの購読ボタンに改善の余地があるのでは?と疑問を持ちました。

来訪者がウェブサイトを訪れてから、寄付金を募るまでの全体の流れを分析すると、メルマガ購読への引き上げ率が、ボトルネックになっていることがわかったからです。

そこで、赤いボタンに書かれた文言の違いによって、どれだけメルマガの購読率に変化があるか、テストを試みました。

テスト方法はシンプルです。

Webツールを使って、それぞれボタンの異なる4種類のページに、同じアクセス数を流し、どのページが、最も購読者を獲得できるのか測定したのです。

すると面白い結果になりました。

下記の4つのうち、最も読者を集めることができたのは、どのコピーだったでしょうか?

  1. 「JOIN US NOW(すぐに参加する)」
  2. 「LEARN MORE(もっと情報を知る)」
  3. 「SIGN UP NOW(今すぐ登録する)」
  4. 「SIGN UP(登録する)」

正解は、「LEARN MORE(もっと情報を知る)」だったのです。

その差は、オリジナルの「SIGN UP」ボタンに比べて、18%もの差が生まれました。

つまり、これまで広告費を掛けて100人しか読者が集まらなかったウェブサイトが、ボタンの文言を変えるだけで、同じ広告費で118人の読者を集めることができます。これは驚くべき費用対効果です。

ダン・シロカーは、ボタンの文言に加えて、6パターンのアイキャッチ画像でもA/Bテストを行いました。

それにより、最もクリックされるボタンと、最も注意を引きつけるアイキャッチ画像の組み合わせを短期間で特定することができました。
(このテスト中に合計310,382人の訪問者があったため、それぞれのバリエーションはおよそ13,000人に見られました。)

その改善率は何も手を加えていなかったオリジナルのページに比べ、なんと40.6%もの改善にもなります。

最終的に、オバマ陣営は288万人ものメルマガ購読者を追加で獲得し、そのうち28万人がボランティアとして協力してくれました。

メルマガ読者は平均で21ドルを寄付してくれたので、6000万ドルもの追加の寄付金を手にしたことになります。

綿密なA/Bテストが選挙の大勢をもひっくり返した、驚くべき成功事例です。

また、オバマ陣営は、支援者に献金を呼びかけるEメールの件名でも、細かなテストを繰り返していました。

例えば、その年の選挙期間中のEメール配信では、「資金が底をついてしまいます!」というタイトルが圧倒的なクリック率になったようです。

このように、絶え間ないA/Bテストの繰り返しを行えば、確実に大きな利益を運んできてくれます。

アメリカ選挙戦でのA/Bテストそのほかの事例

もちろんオバマに限らず、今ではどの候補者も選挙期間中のWEB改善に力を入れています。

「Donate(寄付する)」と「Contribute(貢献する)」の2種類の行動を促すフレーズのテストでは、10%の改善が見られました。

この成約率の向上を受けて、この選挙チームでは、WEBサイトや、メールマガジンなどのあらゆるメッセージを見直し、テスト結果を最大限に活用しました。

わずかなフレーズ、文言でさえ1つのA/Bテストから得られる効果は大きいのです。

あなたのサイトのボトルネックはどこでしょうか?どの部分を改善すると、全体のボリュームが大きく増えるでしょうか?A/Bテストについては今後の記事でも扱いますので、ぜひチャレンジして見てください。

これらの事例から学べる教訓

1.ボトルネックを見つけること。

ウェブサイトにはGoogleアナリティクスなどの解析ツールを導入し、ボトルネックがどこにあるのか?把握すること。改善すべき箇所を正確に把握することが、最もスピーディにWEBサイトを改善する唯一の道です。

2.仮説を立てること。

数字を把握することで、はじめて仮説を立てられるようになります。「このデザインの方が美しい」「このコピーの訴求の方が刺さるはずだ」などのような直感は、事実ではないケースがほとんどだからです。A/Bテストによる検証を行うまでは、あくまで仮説に過ぎないというチーム全体の認識が必要になります。

3.仮説をA/Bテストによって検証すること。

多くのケースで、キャンペーンやセール期間は限られています。もちろんそうでなくとも、仮説を立ててからのA/Bテストは、スピーディに行われる必要があります。早い段階で、成約率を改善できれば、最終的に大きな利益の差につながるからです。また、成約率が改善し、採算がとれることがわかれば、広告費をかけて露出を一気に増やし、さらに利益を増やすことができます。

ぜひ、これらの学びをあなたのビジネスに活かしてくださいね。

出展・参照元:http://kylerush.net/blog/optimization-at-the-obama-campaign-ab-testing/
Google Website Optimizer in Obama Landing Pages
https://www.slideshare.net/leonaressi/google-website-optimizer-in-obama-landing-pages
https://blog.optimizely.com/

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