CTAボタンのクリック率を上げたい時、心理的ハードルを下げるマイクロコピーに改善することはとても良い方法です。
とある単品通販のLPの事例では、CTAボタンの文言を「購入する」「注文する」「申し込む」の3パターン用意し、テストを実施したところ、コンバージョン率が146.7%上昇しました。
「申し込む」のボタンが勝利した理由、それは、「購入する」「注文する」よりも「申し込む」の方が心理的ハードルが低いからです。
しかし、全てのケースにおいてそれが有効だとは限りません。
より摩擦の少ない文言に変えて、逆にCVRが下がってしまった事例をご紹介します。
シューズを取り扱うECサイトのWARSAW SNEAKER STOREは、コンバージョン率を上げるためにマイクロコピーの改善を行いました。
カートページのCTAボタンの文言を心理的ハードルの低いものに変えた方がコンバージョン率が上がるのではないかという仮説を立て、ボタンの文言を「注文」から「チェックアウトに移動」に変えてテストしたのです。
「注文」
「チェックアウトに移動」
結果はなんと改善後のBの文言でコンバージョン率が−14%減少してしまったのです。
なぜこのような結果になってしまったのでしょう。
心理的ハードルが低いCTAとは、強いコミットメントを求めず、ユーザーを優しく誘導してくるものです。
この摩擦の少ないフレーズは、一般的に、アクションが簡単で有益に思えるような魅力的な動詞で始まります。
例えば、「もっと詳しく」、「無料で情報をゲット」などがあります。
これに対して、「注文」や「今すぐ購入」などといったフレーズはユーザーに与える摩擦が大きく、迷いや不安がある場合、クリックすることを躊躇させてしまうのです。
特に支払いが近いCVボタンのコピーには細心の注意が必要です。
より多くのユーザーに行動を促すには、心理的ハードルが下がるマイクロコピーの方が適しています。
しかし、このケースではユーザーは靴が欲しいという要望を持ってサイトを訪問し、お気に入りの品を見つけ出し、カートに入れています。
つまり、このサイトのユーザーは購入するモチベーションが高かったと言えます。
高いモチベーションがある状態では、心理的ハードルが低い「チェックアウトに移動」の文言よりも「注文」という文言の方がユーザーの行動を促したのです。
ユーザーがコンバージョンに至るまでの心理プロセスは大きく4段階に分けることができます。
引用:https://growth-marketing.jp/knowledge/funnel-analysis-in-five-industries/
この心理プロセスをパーチェスファネルまたはコンバージョンファネルといいます。
コンバージョンファネルの深部にいるユーザーはモチベーションが高いため、「注文」や「購入」のような強いCTAによく反応するのです。
多くのサイトでの成功例に倣ったとしても、あなたのサイトで同じ結果をもたらすとは限りません。
ユーザーがどの心理プロセスの段階にいるのかによってCTAの言葉は変わってきます。
マイクロコピーの改善と共にファネル分析を行い、行動フェーズごとにテストを繰り返し行いましょう。
ヒントになりましたら幸いです。
参考:https://guessthetest.com/test/which-button-copy-worked-best/?referrer=B